学校現場×特別支援×働き方改革について考えるブログ

現役教員にしか書けないことを・・・。

個人的に働き方改革を実施してみた話 ~部分休業編~

今回は働き方改革を個人的に実践した話。

 

数年前、妻の育休明け&職場復帰に合わせて「部分休業」を利用してみた話を簡潔にまとめます。

 

 

 

1 部分休業とは

 

 Q1 部分休業とはどのような制度ですか? A1 育児と仕事の両立を図るため,職員が小学校就学に達するまでの子を養育する 場合,公務の運営に支障のない範囲で1日の勤務時間の一部を勤務しないことが できる制度です。

 

宮城県HPより抜粋~

https://www.pref.miyagi.jp/documents/16961/3-bubunnkyuugyou.pdf

 

 上の通り、勤務時間を短縮する制度です。未就学児の子どもがいる場合に利用できます。夫婦そろっての利用も可能です。私の場合、週に1日1.5時間、勤務時間の最後に取得しました。妻は、別の曜日で2日間、1日あたり2時間、勤務時間の最後に取得しました。

 

 中学に勤務していたので、私は毎週、このコマを空き時間にしてもらい、STも学年の先生にお願いして早く帰っていました。ちなみに、早く帰る分、給料は減額されます。この話はまたのちほど。

 

 

 

 

2 私が取得することになった経緯

 

 妻の職場復帰&下の子の保育園デビューという、一家の大混乱をどう収めるか。

 

夫婦そろって仕事が激務(妻も教員です)になるのは承知の上。でも、下の子をなるべく早く迎えに行きたいし、私も家事を担当しなければ家庭は回りません。

 

妻は早くから部分休業を取得することを決めていたようです。

 

 一方私は、妻が管理職からもらった資料を見て、夫も同時取得できることを知り、少し悩んだ末に部分休業取得を決断。

 

 理由についてはいくつかありますが、

 

 ・ 妻の(精神的・時間的な)負担を少しでも減らす。

 

 ・ 中学勤務ならば使い勝手の良い制度(空き時間固定できる)

 

 ・ 次年度、ほぼ転勤でないことが分かっていて、しかも持ち上がりの学年を担任できそう。

 

 ・ 部活の曜日にかぶせてしまえば、合法的に部活指導にでなくてよい。(ごめんなさい)

 

 ・ 未就学児をもつ親のための制度ではあるものの、上の子(小学生)の習い事の曜日にかぶせれば、早く習い事に連れていけて、保育園も迎えに行ける。一石二鳥。

 

といったことが主な理由です。

 

3 良い制度…なのか?取ってみた感想

 まず、「育児短時間勤務(通称「育短」)」という制度もあります。これを取得するとなると、管理職は講師を探さなくてはならなくなるようです。教員不足が当時から話題になっていましたし、今からお願いするにはちょっと急かな?講師見つからないよね?という遠慮もあり、我が家では夫婦そろって部分休業を選択しました。

 それなりに良い制度で、空き時間をうまくあてたり、最悪自習にしたりするなど、学校内での柔軟な対応が可能だと思いました。

 また、取得したことで、時間を意識した働き方が身につく良いきっかけにもなりました。休み時間の5分でできることはないか考えたり、「放課後の〇〇分は  をしよう!」という計画を立てたり、何にどれだけ時間がかかるか把握したり。私にとってはよい刺激となった1年でした。

しかし、私の部分休業は、下の子が順調に保育園に慣れたことや、上の子の習い事の曜日変更により、一年で終了することになりました。その後は引き続き同じ曜日に定時で帰るようにして、お迎えや晩御飯の支度などを担当しています。

 

 次に給料について。これはシビアです。知っていましたか?先生方!(気迫強め)

私たちは時給で働いていたんですよ!!(・o・)!!ドーン

 この制度、休んだ分が次の月から引かれます。つまり、私の場合、(時給)×1.5(時間)×4(回)というお金を払って、休ませてもらうという制度なのです。

 

一年で部分休業が終了になったため、3月の減額分(勤務しなかった時間分)は現金で振り込むように事務の方から言われました。それまでは給料表に「マイナス〇〇〇〇円」とは書かれていなかったので、いくら減っているかわかりませんでした。引かれる金額が分かったので、勤務しなかった時間から逆算することで、私は(その年の)自分の時給を把握することができました。(因みに2300円ほどです。)

 

 余談ですが、給料表の「給料」って毎月微妙に違うんですよね。ずっと何でだろう、と思っていたのですが、きっと月当たりの労働日数が違うからなんだ、と妙に納得。

 

 繰り返しますよ。部分休業は「お金を払って休む(早く帰る)」制度です。おかしいですよね?おかしいんですよ。理不尽極まりないぞぉ!!だって

校務分掌も担当時間数も全然減ってないし!

しかも、いくら仕事を持ち帰ったと思っているんだぁ!!

 

というわけで、悪くはない制度ですが、早く帰る分、持ち帰りの仕事量が増えたこと、結局は周りの職員の仕事を増やしたことがモヤモヤポイントです。簡単に言えば、気軽にフォローしてもらうための人の手が足りない、労働時間に対する仕事量が多すぎる、という分かり切った結末でした。

 

おまけ

 

私たちの世代は、共働きが普通になった最初の世代だと言えます。

少なくとも、私たち夫婦は共働きの家庭では育っていません。

理想となるモデルが乏しい中で、夫婦共に働きながら子供の習い事・家事をこなすのは、とてつもなく難しい。

妻は自分が子供のころのように、子どもに習い事をさせたいようですが、そもそもそんなことは可能なのか?と私は妙に冷たく考えてしまいます。無理でしょ時間的に。と。

 

そんな中、若い世代向けに「共働きの父・母」を見せることが、私たち世代の宿命なのだなぁと思います。苦労した部分休業も、その一つになっていれば幸いです。