学校の現実
通常、小売店や飲食店では、客を迎える前の準備があります。
学生時代にアルバイトをしていた某ファーストフード店は、営業の30分前からオープン担当のシフトが入っていたと記憶しています。
閉店後の作業も、同じことです。
しかし、学校現場はそうではありません。
児童・生徒が登校し始める時刻は、教員の勤務開始よりも前であることが多く、
部活動が終わり、生徒全員が下校するころには、教員の勤務終了時刻は終わっています。(冬季や部活動がない日を除く)
生徒が入るために校舎の出入口や校門を開錠したり、電話連絡を受けたりすることは勤務開始の前です。
生徒がいなくなった校舎内の施錠を確認するのも、勤務時間が終わった後になってしまうことはよくあること。
恐ろしいことに、多くの職員は、その異常さに気づいていません。もしくは、異常である状態を諦めています。
学校にも、開店準備・閉店作業の時間をください!!
そこで、職員の勤務時間をずらすような形で、開店準備・閉店後の後片づけの時間を生み出そう、というのが、提案2~早番・遅番制の導入~です。
保育園にお迎えに行ったときにいる先生(遅番)は、朝にこどもを預けたときにいた先生(早番)とは別の先生です。朝7時半から夜7時まで子どもがいる保育園では、当たり前のこの制度。学校でもやってみればいいじゃん!我ながらナイスアイデア!と思っていたら
中学校で「遅番」含むシフト制勤務を導入へ – 日本教育新聞電子版 NIKKYOWEB
もうすでに行っている学校がありました!
ぜひ、職員の話を聞きたい!その後見つかった課題や修正点を知りたいところです。
活用例1
小学校低学年の子供がいる教員は、夫婦のうちどちらかが遅番になるようにする。
遅番の妻は自分の子どもを送り出してから、余裕をもって出勤できます。
早番の夫は早めに帰れるので、学童などへのお迎えを早めにできます。
活用例2
早番を担当するのは、部活動を担当しない、またはしたくない先生です。
部活命!という先生は遅番を選択。
朝の会は早番が担当しますが、帰りの会は遅番で行います。
課題1 職員を納得させられるか
これまでも残業だらけだったんだから、時刻をずらしたところでどんな意味があるのか、早番・遅番の希望に偏りがあった場合はどうするのか、など、実際に導入すると、職員の反発も予想されます。
課題2 職員が足りない
この制度を導入すると、職員が足りません。
中学校では、各学年に「副担任」「教科担任」がいる場合が多いのですが、この立場の先生の数はクラス数よりも少ないことがほとんどです。
朝の会と帰りの会を各クラスで別の教員が担当するとするなら、学年の職員の人数はクラス数×2ということになります。
小学校は中学校よりもさらにマンパワーが足りません。
「早番・遅番制」は職員の定員増とセットとなるでしょう。
(朝の会・帰りの会が必要なのか!?という点についてはこれから考える価値があると思います)
まとめ
早番・遅番制の導入によって、教員の多忙さを根本的に解決することにはならないかもしれませんが、小さなこどもを持つ教員にとってはとても助かるし、一部の人の熱意や厚意に頼り切っている現状を改善することにはなると思います。
勤務開始・終了時刻は校長・管理職の権限であるはず。一つでも多くの学校でこのような制度が導入されることを願います。